600年の石畳。

地球の歩き方はバルトを北上すると人が冷たくなっていく、というような書き方をしているが、私にはどうも逆のような気がしてならない。リトアニアの特にヴィリニュスは冷たい空気が漂っていたけど、ここはもうちょっと陽気で親切。先進国に近づくにつれ、人は親切になって行く・・・そんな気もする。

ここ、タリンの旧市街は久しぶりに楽しめた。規模がでかく、600年という長い年月をかけた石畳がずっと続き、迷路のように繋がっている。一番の広場に出てしまうと、レストランやカフェが並ぶというワンパターンな光景になってしまうけど、メインストリートを離れてしまえば人もほとんど歩いていないという「ひとりしんみり味わう」ということができるのだ。塔や教会もおもしろい。聖オレフ教会には高い塔があり、ぐるぐる目の回るような螺旋階段を登ると、すごくきれいな風景に出会える。高すぎてやや怖い感はあるものの、そこからはタリンの町並全部を見渡せる。また、丘の上にある大聖堂には凝った彫刻がたくさん飾られていて趣きある。ちょっと異風な感じ。


広場ではちょうど今だけ行われている中世市があった。ギリシア風の衣装を身につけ、フィンランド顔負けの雑貨や服を売っていた。レイブで売られていそうな尖った帽子、手作りアクセサリー、麻素材のゆったり服などなどなど。あとはお店の人がそれぞれに中世っぽい服を着ているのがおもしろかった。ほとんどはおばちゃんなんだけど、たまにかわいい女の子が着ていると感心しちゃうのだ。他にも伝統音楽演奏ライヴもあった。ようやくここでバルトの文化に触れた気もした。

そんなふうにタリンを満喫しているように思われるだろうけど、実際は頭の中は他のことで頭がいっぱいだった。
ロシア行きのバスが取れなかったのだ。ちょうど日曜日だったこともあり、どのバスも全て満席。タリンには3日も滞在していたけどフィンランド行きのことやらいろいろ忙しく、ロシア行きのバスチケットまで気にしている余裕がなかったのだ。いろいろ考えた結果、国境の町ナルヴァまでのチケットを買うことにした。国境のナルヴァからは歩きでロシア入りができるらしいのだ。これなら国境でゴタゴタもめている間に先にバスに行かれてしまうという恐ろしい危険がない。ただバスの到着は深夜。深夜に女一人で国境越えはちょっと不可能に近いと思う。なので最悪ナルヴァに泊まるか、バスターミナルが安全そうでかつ開いているならそこで待とうと考えた。もしくはナルヴァから深夜に2本のロシア行きバスが来るので、それを待ち無理矢理乗り込むか。もちろんそれは満席と分かっての判断だ。

ナルヴァは恐ろしいほど静かで暗かった。安全に待てる場所なんて無に等しい。そこから町に繋がっている道はそこ以上に暗いのを承知で私は気合で歩き始めた。・・・こんなところで一人で待っていたら危険!
びくびくしながら歩いていると、ホテルの光が見えてきた。ううむ、高そう・・・。でも、もしかしたら親切なスタッフが中にいれてくれたりして?なんて甘い期待を抱きつつ、ドアを開けてもらう。宿泊代は140ユーロ。むろん泊まる気など始めからない。ソファーで少しの間座っていていいか?と聞いてみると、もちろんかのように答えはNOだった。
気づくとロシア行きバスがやって来る時間まですぐだった。バスターミナルまで戻るとちょうど良くバスがやって来た。着いた時から複数の人影があったのだけど、なるほどみんなこのバス待ちだったようだ。早速おっちゃんに聞いてみると、答えはYES!わ~い!満席だったはずの席にも予備席がいくつか残っており、余裕で座ることができた。しかも直行便で来るより安くあがった。ま、これはリスク代だろう。

乗務員のおっちゃんはとてもいい人で、ロシア語で書かれた入国カードの書き方をおしえてくれた。バスにも乗せてくれたし、私にとってはまるで神のようだ。
ロシア入りも噂に聞くよりも全然楽勝だった。てきぱきと働くロシア人の姿にはやや圧倒された。あ~たまにはこういう緊張感もいいな。だけど新鮮ではあったけど、ロシア入りは実に簡単でまるでアジアの国境越えと変わらない。そう、お金さえ払えば何の問題もない今のロシアなのである。

■info
・インターネット 20/30分、34/1時間。また、街の至る所にネットワークポイントがあるようだ。有料の時もあるようだけどほとんどは無料で使用できるらしい。(フリーペーパー参考)

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by mayupura | 2006-07-07 00:32 | ヨーロッパ

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