貧しい子供のために教科書を買ってあげるのは間違っているのか?!

大人よりも子供の方が英語を知ってる。
「you、you、you~~!!」
「Give me money~~~」
これ程度のものだが、外国人が来るとわらわらと集まってきて、この2センテンスをしつこく繰り返す。かわいい子もいるのだけど、かわいげのない子ももちろんいる。

正直ここジンカは貧しい。エチオピアは物価が安いので、私はコーラやらお菓子やらを普通に買う。アディスアベバではなんとも思わなかったのだけど、ここでは買い物袋を手にして歩いていると、
「それ、ちょうだい!」
と言ってくる子供が多い。それからはあまりおおっぴらに買い物できなくなった。
子供の多くは破けた服を着ている。家がない放浪者や”気が狂った”ような大人もいる。バスに乗るお金がないので、遠いところから歩いてマーケットにやって来る少数民族も多い。
アフリカは貧しいイメージが昔からあるが、それを本当に実感してしまう。貧しい国は今までいくつか見てきたが、やっぱり心のどこかが切なくなる。アフリカの人は笑顔でパワーにあふれ、生活を楽しめるところがあるので「真の暗さ」を感じないが、土地の乏しさ、資源のなさ、先進国からの遅れ、未だ続く人種差別(差別ではないが、白人観光客との関係性を見ると否定できない部分がある。)を見ると、見て見ぬふりし、そしてそれで自己嫌悪に陥る自分がいる。

宿によく遊びにくる10歳ぐらいの男の子がいる。ジェンタだ。
笑顔がいい子で、従順な子だ。ずっと私たちの近くにいる。レストランでのんびりご飯食べていても外でおとなしく待っているし、お菓子をあげても遠慮して受け取らないような子だ。かわいいと思った。
でもいろいろ人間不信になっていた私はひとつ賭けてみた。バナナを買ってきてとお金を渡したのだ。子供ながらにお金をもらったら、そこで私らから逃げてもう戻ってこなければ自分のものになる。結果、ごくわずかな金額ではあったけどジェンタはちゃんとバナナを買ってきてくれた。地元プライスはよく分からないけど、バナナの本数はあげた金額に妥当な量だった。ジェンタは信じられる・・・。

1日ぐらい一緒に過ごしたあとである。宿のスタッフのガイドが言葉を通訳してくれた。
「ジェンタは将来ガイドになりたいから英語を勉強したいんだって。でも彼の親は他の場所に住んでいて(そこには学校がないので、ジンカまで来ている)今はお兄さんに育ててもらってる。とてもかわいそうな子だ。で、英語を勉強したいけど、教科書(英語の辞書)が買えないんだ。教科書は古本で買えるし、とても安い。彼のために買ってあげれないだろうか?」
ジェンタと一緒に本屋に行ってみた。確かに値段は微々たるもんだし、値段も言っていた通りだった。だが、である。真か否かである。
アラさんと話し合った。私ら二人も現地人を信用して裏切られたことが何度もある。簡単には信じられないのだ。結局は100%信じたからではなく、値段もそう高くないからという理由で買ってあげることにした。

買ってあげたあと、ジェンタは半日ほど姿を現さなかった。やっぱりか・・・・。
しばらくしてから姿を現したジェンタは妙に陽気だった。私の腕に絡みつき、甘えてくる。今まででは考えられない・・・。たぶん、外国人にかわいがってもらえた、教科書を買ってもらえたという自信から態度が変わったんだろう。他の同じ歳ぐらいの子供に比べてもジェンタは大人しいし控えめ。それは彼のバックの悲しみがそうさせていたんだろうか。私の心境としては複雑だ。従順でかわいかったジェンタが簡単にお金をねだる人になってしまったらどうしよう・・・。もうすでにそうなってしまったか?買ってあげたことは失敗だったのか?

教科書はその後どう使われているのだろう?行き先は分からない。とにかく買ってあげてすぐに教科書で勉強するジェンタの姿は見てみたかった。でもそれは残念ながら見ることはなかった。誰でも買って自分で持っているだけで満足、という気持ちはあると思うけど。見てみたいってのは勝手な私のいやらしさだ。

通りで子供に買ったお菓子を頂戴と言われて無視する瞬間。
お金がないので頂戴と言われて、NOと言う瞬間。
もちろん簡単にはあげれない。微々たるものだ、エチオピアの物価なんて。でもあげたことによってその当人が変わってしまう可能性も高い。=物・お金は外国人がくれるものだ。 と発想になってしまうのが危険なのだ。仕事をしないで人から頼ることだけで生きていこうとする人が多いのだ。
大人ならともかく、子供は扱いが難しい。かわいそうだから、という理由だけで物をあげてはいけない。でも、本当に必要としている子供もたくさんいる。その基準はどこで判断したらいいのか私には分からない・・・。
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by mayupura | 2006-10-22 15:40 | アフリカ

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