ひとりバックパッカ-のイスラエル人。

コンソからヤベロ行きのバスを探しているときだった。ひとりのイスラエル人と出合った。タミルだ。風貌はいかにも東南アジア好きの放浪者。ぼさぼさの髪に遠くを見つめるような目、現地人を軽くたたきのめすような旅慣れた態度。彼とはこの先1週間ほど共に行動することになる。

コンソはある意味観光地だ。だからバスがあってもないと嘘をつかれるし、どうしても車をチャーターさせようとする。チャーター代もとてもぼった値段だ。途方に暮れてた私らは通り過ぎた唯一の外国人、タメルをつかまえて相談したのだ。聞くと、彼もケニアを目指している途中で、ここで足止めされて2日目らしい。前日は地元民に情報を聞き聞き今に至るらしい。そして、友達が政府がらみの仕事をしていて、車でヤベロまで乗せていってくれるというので3人で待つことにしたのだ。だが、その人は一向に現れない。怪しい、このイスラエル人が・・・

口のうまいイスラエル人に便乗してトラックの荷台に乗ることに成功した。
夕方になればヤベロまで行くトラックが何台か走る。トラックがあるだけでも嬉しかったので、値段はどうでもいいやって気分だったのだけど、このタメルが譲らない。運転手が私に聞く。
「君はこの値段でOKだって言ったじゃないか?」
困る。日本人である私はみんなが合意しないとトラックに乗ることはできないのだ。ひとり置いていくことができない。
結局タメルがある程度のところでおりた。前日から値段調査をしていたぐらいだから、いきなりは決められないのだろう。節約の節約パッカーだ。いかにもイスラエル人だ、ケチ。

口のうまいイスラエル人は言う。
「現地人は日本人が来るとすぐに値段をごまかす。君らがいると俺まで高くなるから、交渉する時はどこかで待っててくれ。」
この時から私らは宿探し・値段交渉の時はそっと遠くに隠れ、交渉終了後に宿にやって来た。それでもタメルはきちんと私らの要望を聞き、応じてくれる。部屋も3人シェアではなく、ちゃんと2部屋取ってくれる。寒ければ上着を貸してくれるし、かなり気遣い屋だ。どんなに日本を馬鹿にしてもそんな風に気を遣ってくれるし、面倒な値段交渉もしてくれる。旅慣れていて要領がいいし、すぐ人と仲良くなれる。でも口は本当に悪い。そんな両極端な面を持つ彼にいつの間にか流され、流され、日本語で文句を言いながらもしばらく一緒に移動を続けた。

そんなタメルとの間でトランプが流行った。大富豪である。最初はイスラエル式の大富豪に似たゲームを教えてもらってやった。(大富豪の数字が他の数字に変わっただけ)それをやるとタメルが勝ってしまう。ということでそれからは日本式の大富豪になった。最初は連勝し続けた私らも途中からは負け続ける。微々たるもんだがお金を賭け始めてからは本当にそうだ。私もアラさんも彼に結構なタバコをプレゼントすることとなったのだ。
アフリカの夜は長い。夜は基本的には危険なので外出しないからだ。アラさんと二人きりになってからも二人大富豪の夜は続いた・・・。
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by mayupura | 2006-10-23 15:41 | アフリカ

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